米AT&T Wirelessと米Cingular Wirelessは,携帯電話機買い替えの際に事業者に関わらず同一番号を保持できる番号ポータビリティ制度(LNP:Local Number Portability)の詳細条件を規定するサービス・レベル契約(SLA)を結んだ。両社が米国時間11月14日に明らかにしたもの。

 米連邦通信委員会(FCC)は2003年11月24日から無線事業者間のLNPを義務づける。これ以降ユーザーは携帯電話機の番号を変えることなく事業者を乗り換えることができる。

 両社が合意した詳細条件では,両社間でユーザーの移行を行う際の作業について,トラブル解決手順や業務上のルールなどを細かく定めている。両社によると,「FCCはここまで詳細な契約を事業者に求めているわけでない」という。「細かな手順を規定しておけば,最高の効率で事業者変更手続きを処理できる。消費者はこうした点に最も高い関心を示す」(両社)

 両社は米Sprintとも同様の契約を結んでいる。

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,Cingular Wireless社は米Nextel CommunicationsともLNP合意を結んでおり,そのNextel社はSprint社と契約しているという。またドイツT-Mobile Internationalの米国法人T-Mobile USAは,AT&T Wireless社,Cingular Wireless社,Sprint社,米Verizon WirelessとLNP導入で合意した。

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