フランスのThomsonが米国時間11月13日に,Intel Architecture(IA)ベースのビデオ配信プラットフォーム「Cobra Platform」を発表した。MPEG-2, MPEG-4 Part 2,Windows Media 9 Series,MPEG-4 Part 10(JVT)といったビデオ圧縮技術に対応する。「通信事業者は,DSLなど既存のブロードバンド・ネットワークを介し,家庭向けエンタテインメント・サービスを提供できる」(Thomson社)
Thomson社DSL事業担当副社長のBaudouin de la Tour氏は,「通信事業者がDSLネットワークでホーム・エンターテインメント・サービスを経済的に提供するには,高度な圧縮技術が中心的な役割を担う」と説明する。
Cobra PlatformはDSLのようなIPネットワークを使用するので,ほかのビデオ配信ネットワークと違い,事業者と視聴者を直接接続するという特徴がある。「直接,双方向の接続を行うことで,完全な対話形式サービスが実現できる。たとえば,ビデオ・オンデマンド,eコマース,オンライン・ゲームなどが可能だ」(同社)
同プラットフォームの開発には,米Intel,米MicrosoftのMicrosoft TV部門,フランスのAlcatelが協力した。Intel社はプロセサとチップセット面を,Microsoft TVはWindows Media 9 Series関連技術を,Alcatel社はDSL周りを担当したという。
なおThomson社は,ネバダ州ラスベガスで11月12日~14日に開催されるTelcoTVカンファレンスで,Cobra Platformのデモンストレーションを行う。
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