米Cisco Systemsは,IEEE802.11g対応の無線LAN用アクセス・ポイント「Cisco Aironet 1200 Series IEEE 802.11g Access Points(AP)」と「同1100」を米国時間11月12日に発表した。

 両製品とも,IEEE802.11bの約5倍に相当する最大54Mbpsで通信が行える。同社の従来製品やCisco互換のIEEE802.11bクライアント,IP電話機「Cisco Wireless IP Phone 7920」に対する下位互換性を備える。「既存ネットワークへの導入が容易で,通信を高速化できる」(Cisco社)

 IEEE802.11g対応Aironet 1200/1100 Series APは,現行の無線LAN向け暗号規格,Wi-Fi Protected Access(WPA)に加え,Advanced Encryption Standard(AES)もハードウエアで対応している。ただしAESを利用するには,ソフトウエアをアップグレードする必要がある。同社はセキュリティ規格のIEEE802.11i標準が認証された後で,IEEE802.11g対応の全Aironet製品向けとして,アップグレード用ソフトウエアを無償提供するとしている。同社では,ソフトウエア提供は2004年になると見込む。

 両製品の価格は,Aironet 1200が899ドル,同1100が599ドル。11月中に出荷を開始する。また同社は,IEEE802.11b対応のAironet 1200/1100 Series APでIEEE802.11gによる通信を利用可能とするため,アップグレード・モジュール(149ドル)を11月中に利用可能とする。

 さらに同社は,IEEE802.11a/b/g対応のCardBusおよびPCI用クライアント・アダプタも提供する。対応OSはWindows XP/2000。価格は,CardBus用が169ドル,PCI用が249ドル。いずれも2004年第1四半期に出荷開始の予定。

 また同社は同日,複数のパソコン・メーカーなどが無線LAN技術の無償提供ライセンス「Cisco Compatible Extensions」の試験に合格したことも明らかにした。同社製無線LANインフラとの相互接続試験を受け,Cisco Compatible認定を獲得したメーカーは以下の通り。米Dell,富士通,米Hewlett-Packard,米IBM,東芝,米Linksys,米NETGEAR。

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