オランダのRoyal Philips Electronicsは,モバイル機器向けに音声/画像処理プロセサの新モデル「Nexperia Mobile Image Processor(PNX4000)」を現地時間11月11日に発表した。また,短い開発期間で消費者に低価格のマルチメディア対応の携帯電話機を提供するために「Nexperia Cellular System Solutions」の新版も同日発表している。

 モバイル機器のイメージング向けICは,急成長中のミッドレンジからローエンドの携帯電話機市場をターゲットとしている。消費電力の70%削減に成功しており,設置面積は小さい。同プロセサは,さまざまな携帯電話機上でマルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)を可能にするために必要なイメージング機能を提供する。

 PNX4000は,プログラムできるパラレル・インタフェースを介してビデオ・データを直接ホスト・プロセサで変換する。チップは,最高1.3Mピクセルのデジタル化されたデータを即座に処理してJPEG圧縮した高品質なスナップショットに変換する。

 また,同製品は,LCDドライバを通じてモバイル・デバイスのディスプレイ上でプレビューできる機能を提供する。高性能スケーラにより,デジタル・ズーム効果も追加できる。また,最適化されたグラフィック・オーバーレイ機能により,画像にテキストやアイコンを重ねることも可能。

 同製品は,1月にサンプル出荷を開始する。価格は3ドル未満になる予定。量産は,2004年第2四半期に予定している。

 同日発表したNexperia Cellular System Solutionsの新版は,携帯電話機の設計を支援するハードウエア/ソフトウエア・ソリューション。ローエンドからミッドレンジの携帯電話機をターゲットとしている。

 動作周波数26MHzのベースバンドICはJavaに対応しており,ゲーム,ビジネス・アプリケーション,WAP 2.0,MMS機能をサポートする。また,音声認識向けにPCM(パルス符号変調)にも対応する。850/900/1800/1900MHzの4つのGSM帯域とともにGPRS Class 10もサポートする。

 付属するソフトウエアにより,設計者は新しい機能を迅速に追加できるようになる。同システムは,マン・マシン・インタフェース(MMI)に加え,JPEG,MPEG,FMラジオ,SP Midi Polyphonyといったマルチメディア形式に対応する。

 主な構成要素として,強化されたベースバンドIC,RFフロントエンド,電源管理装置,チャージャIC,付属ソフトウエアがある。現在,同システム・ソリューションをベースとする参照デザインが提供されている。量産は,2004年第2四半期を予定している。

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