米Sun Microsystemsは,米Hewlett-Packard(HP)のAlpha/Tru64ユーザーに向けた,Solaris環境への移行支援プログラム「HP Away」を強化した。Sun社が米国時間11月10日に明らかにしたもの。
Sun社と提携して移行を支援するプロバイダに,米Datamatics,米EvolveWare,米IrisLogic,米Transoft,カナダのTreklogic,米Relativity Technologiesの6社が加わったほか,独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)として米Ulticomと米Sysixがプログラムに参加した。また,当初は米国内のユーザーのみを対象としていたが,欧州のユーザーもプログラムを利用できるようになった。なおSun社は,2003年末までに,同プログラムの対象を全世界に拡大する予定という。
Sun社のHPAwayプログラムは,HP社がAlpha/Tru64システムのサポート打ちきりを発表したことを受けて,2003年7月に始めた。推定40万人にのぼるAlpha/Tru64ユーザーを取り込むのが狙いである。「既に50以上の企業が,Alpha/Tru64からSun社のシステムに移行した」(Sun社)
一方HP社では,Alpha/Tru64ユーザーにItaniumベース・システムへの移行を呼びかけているが,「業界やISVによるサポートが限られているため難航している。また,HP社がHP-UX11i v.3の出荷を18カ月も延期したことで,AlphaServerユーザーはItaniumへの移行を躊躇(ちゅうちょ)している」(Sun社)。
HP Awayプログラムの概要は以下の通り。
・Alpha/Tru64からSolaris環境への移行を査定する,2週間のコンサルティングを提供。ユーザーが移行を見送った場合,コンサルティング費用は無償となる
・サービス,サーバー,ソフトウエアなど,移行に要する費用の支払いを最大90日間延期できる
・移行に必要なアプリケーションの移植作業は,Sun社のプロフェッショナル・サービス・グループが,同社のiForceセンター,提携企業,ISVなどと連携して支援する
・下取りサービスも提供する
ちなみにSun社では,電気通信,生命科学,公益事業,教育,州政府や地方自治体など,垂直市場のユーザーを主なターゲットにしているという。
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