IT系人材派遣会社の米Robert Half Technologyが米国時間11月4日,2004年のIT専門職の給与に関する調査結果を発表した。それによると,IT専門職の基本年収は引き続き安定するが,初年度年収は平均で1.6%減少する見込み。

 今回の調査は,Robert Half Technology社が管理する数千のIT職について,詳細な分析を行ったもの。調査結果の給与はいずれも全米平均の数字。

 2004年に初年度年収が最も増加するのはデータ・セキュリティ・アナリストで,前年比2.1%増の6万7000~9万750ドルとなる見通し。「企業の規模を問わず,ネットワーク・セキュリティ問題の優先度は高い。ネットワークの脆弱性の評価から,総合的なウイルス対策,侵入検知まで,企業全体のセキュリティをカバーできる人物が求められている」(Robert Half Technology社エグゼクティブ・ディレクタのKatherine Spencer Lee氏)

 アプリケーション・アーキテクトの初年度年収は前年比1.9%増の7万3250~10万4250ドル,インターネット/イントラネット上級開発者の初年度年収は,同1.9%増の6万7250~9万6000ドルの見込み。また,サービス,医療,金融サービス分野でIT専門職の需要が増えるという。

 その他の主な調査結果は以下のとおり。

・システム監査担当者の初年度年収は前年比1.8%増の6万750~7万7250ドル
・品質管理/テスト管理者の初年度年収は,同1.2%増の6万3250~8万5000ドル
・障害復旧スペシャリストの基本年収は同1.2%増の5万9000~8万9000ドル
・LAN管理者の初年度年収は前年比4.5%減の4万3750~6万2500ドル
・デスクトップ・サポート・アナリストの基本年収は前年比5.3%減の4万7000~6万5000ドル

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