米Gartnerは米国時間11月7日,2003年の世界パソコン市場に関する調査結果を発表した。2003年第3四半期の市場が堅調に推移したことを受け,2003年通期における世界パソコン出荷台数の見通しを,9月時点の予測である前年比8.3%増から同10.9%増に引き上げる。

 2003年第4四半期の世界パソコン出荷台数は前年同期比12.4%増の4720万台に達し,2003年通期は前年比10.9%増の1億6430万台にのぼる見込み。Gartner社Computing Platforms Worldwide部門バイス・プレジデントのCharles Smulders氏は,「第3四半期の市場は予測を上まわる結果となり,特にSOHO向けが好調だった。これを良い兆しとして今後の市場予測を上方修正する」と述べたが,「ただし,慎重な態度は崩せない」とも忠告している。「今後の市場動向は,世界の経済状況によるところが大きい」(同氏)

 主な調査結果は以下の通り。

・大企業向けの需要は,ユーロ高の恩恵を受けている欧州をのぞき,依然として精彩を欠いている。

・消費者向けでは,今後,米国市場のもろさが露見することになる。米国の消費者向けが第3四半期に盛り上がったのは,税金の払い戻しや減税などの一時的な要素が影響したためだ。

・2003年10月における米国小売販売の在庫レベルは,前年同月と比べて大幅に上昇している。

・第3四半期の日本市場は,10月のパソコン・リサイクル法導入を前に多数の家庭がパソコンを買い換えたため,消費者向けが大きく伸びた。

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