近距離無線規格「Bluetooth」の標準化団体Bluetooth Special Interest Group(SIG)は米国時間11月5日,最新仕様「Bluetooth Core Specification Version 1.2」の承認を明らかにした。Version 1.2では新たな機能を追加し,「より信頼性の高い,広範なユーザー体験を消費者に提供する」(Bluetooth SIG)としている。

 Bluetooth SIGによれば,現行のBluetooth仕様は,コンピュータのマウスや携帯電話機など,1000種類以上のさまざまな製品に組み込まれている。Version 1.2は,さらに機能豊富な携帯電話機やヘッドセット,PDA,デジタル音楽プレーヤ,デジタル・カメラ,ノート・パソコンなどでの実装を想定する。

 Bluetooth Core Specification Version 1.2の主な特徴は以下の通り。

・Adaptive Frequency Hopping(AFH)対応:コードレス電話,電子レンジ,IEEE802.11bおよび802.11g対応の無線LANなど,2.4GHz帯を共有する無線技術との干渉を避ける。

・音声処理の強化:エラー検出手法を用いて,騒音がある環境での音声接続を向上する。

・デバイス認識の強化:Bluetooth搭載装置どうしの接続を素速く実行する。

・下位互換:Version 1.1との互換性を維持する。

 Bluetooth Core Specification Version 1.2に対応した製品は,2004年第1四半期に販売を開始する見込み。「今後1年~1年半で,多数のVersion 1.2対応製品が市場に登場するだろう」(Bluetooth SIG)

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