米Corningと米IBMは,米エネルギー省(DOE)およびDOEの国家核安全保障管理局(NNSA:National Nuclear Security Administration)と共同で,光スイッチによるスーパーコンピュータ向け相互接続技術の開発を進めると米国時間11月4日に発表した。開発計画の予算は2000万ドル,期間は2年半の予定。

 両社によると,「高性能コンピュータ・システムの設計において難しい点は,マイクロプロセサの性能向上と,データ転送速度の向上のバランスをうまくとること」という。「この困難の解消が計画の目的である」(両社)

 政府機関やIT業界は,スーパーコンピュータが1ノード当たり数10Gバイト/秒で数1000ノードを相互接続する規模になると,光スイッチベースの相互接続技術が必要になると予測する。両社は「この開発計画で,銅線を使った電子的な相互接続技術よりも50倍高速なネットワークを実現すると同時に,スーパーコンピュータのコストを削減するための,高速光通信技術の開発を加速させる」としている。

 この計画に沿ってCorning社の科学/技術部門は,光スイッチ相互接続装置の試作品を開発する。またIBM社の研究開発部門IBM Researchは,開発予定のスーパーコンピュータ・システム向けに電子制御/監視回路を提供するとともに,Corning社の開発する光相互接続モジュールの組み込みを支援する。

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,開発計画の資金はDOEが提供するという。

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