米Xerox社は2003年第3四半期の決算を米国時間10月23日に発表した。同期の1株当たり利益は11セントだった。製作用カラーとオフィス用カラー・システムの販売増加と市場開拓努力にけん引されて,引き続き装置の売り上げが増加した。

 同期の総売上高は37億3000万ドルで為替差益の3%を含めて前年同期から2%の縮小となった。売上高の減少は,旧式レンズ製品のアフター・サービス収入の落ち込みと小規模企業向け事業の撤退が要因となっている。

 装置の売上高は3%の為替差益を含めて5%成長した。同社のDMO(中南米,中東,インド,ユーラシア諸国,ロシア,アフリカの事業)における市場開拓も効を成して,同地域における装置の売上高は前年同期から33%増加している。

 オフィス用と製作用を含むデジタル関連製品および付加価値サービスによる収入は,前年同期比6%増加し,総売上高の70%を占めた。

 製作用装置の部門では,「DocuTech」シリーズの成功により,モノクロ・システムの出荷は14%伸びた。カラー製品の出荷は「DocuColor iGen3」,「DocuColor 6060」デジタル・カラー・プレスにけん引されて8%成長した。2003年前半に同社は,引き続き米国と欧州における同市場で首位を収めた。9月に同社は,出力を18%高速化した「DocuColor 5252」を前モデルと同価格で発表している。

 「カラー製品は,アフター・セールス収入につながるため引き続き同社の成長戦略を促進する鍵となる。幅広い製品ポートフォリオにより,同期はカラー製品による売上高が15%伸び,装置の売上高全体の25%を占めるようになった」(Xerox社会長兼CEOのAnne M. Mulcahy氏)

 オフィス向け装置では,モノクロ・デジタル・システムの出荷が28%増加した。これは,同社の新製品である価格設定を抑えたコピー機とマルチファンクション装置に対する中小企業の需要が加速したことが要因となっている。カラーのマルチファンクション装置は,「DocuColor 3535」,「WorkCentre Pro 32」,「同40」カラー・システムが良好で出荷が49%延びている。2003年前半に同社は,米国,欧州のカラー製品市場のシェアで首位を収めている。同社は,オフィス向けプリンタ2製品とマルチファンクション・システム2製品を9月に発表している。

 同期における粗利益は,前年同期と同レベルの41.1%となった。販売,管理,全般的な経費は,為替差益3%を含めて横ばいとなった。同期において6700万ドルのキャッシュ・フローを生成しており,9月末の現金高は23億ドルとなっている。

◎関連記事
米Xerox,当てる光の波長によって絵が変わる印刷技術を開発
米Xerox会長が株主総会で経営方針を発表,「財務状況が改善した。今後は成長分野に重点投資」
米Intelと米Xerox,コピー機など向けの画像処理用プロセサを共同開発
米Xeroxの2002年Q3決算,1株当たりの収益は5セント
米Xeroxの2003年Q2決算はわずかに減収減益,しかし「デジタルとカラー事業は好調」

発表資料へ