米国の教育機関向け非営利団体である「CoSN(Consortium for School Networking)」が,セキュリティに関する新しい構想「Cyber Security for the Digital District」を米国時間10月23日に発表した。この構想は,学校組織内におけるデータのプライバシと技術の安全な運用を実現するための戦略とツールの提供を目的とするもの。CoSNは,K-12レベル(小学校から高等学校まで)におけるITとインターネットの利用を促進している。

 「ベンダーに対して中立的な立場をとるCoSNのアプローチは,教育コミュニティに,セキュリティの根本にある技術,ポリシー,人為的な問題に対処するための公平な情報とメソッドを提供する」(Cyber Security for the Digital Districtのプロジェクト・ディレクタのSteven E. Miller氏)

 同団体は,複数年の構想を「T+L2: Leading Learning to a Higher Level」にて発表した。Cyber Security for the Digital District構想の概要の一部は次のとおり。

・教育者がネットワーク・セキュリティ関連の問題を理解するためのツールキットの提供。現状の評価,リスク削減を支援する

・トレーナを訓練するワークショップ

・教育者が自らサイバー・セキュリティ問題の理解度を評価するためのWebツール。学区における現状を他の回答者と比較することもできる

・事例研究の提供

・サイバー・セキュリティに関するCoSNメンバー,連邦,地方の政策立案者向けWebキャスト

・オンライン・コースの開発

 同構想は,SonicWALL社,SurfControl社,Symantec社,Sun Microsystems社,Microsoft社,District Administration誌,米教育省などの教育助成金によって支援されている。同構想の詳細は,近々プロジェクトのWWWサイトに記載される予定。

 「ブッシュ大統領は,米国の子供に安全な学校を与えることを重要事項としている。デジタルの世界でも,学校のネットワークの安全を守り,子供の安全,情報の安全を確保して,ネットワーク教育のリソースを守る必要がある。州,地方政府,学区,民間部門と協調することにより,クラスルームに至るまでのネットワーク・セキュリティを改善する方法を模索する」(米教育省教育技術ディレクタのJohn P. Bailey氏)

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