米Amazon.comは,2003年第3四半期の決算を米国時間10月21日発表した。売上高は11億3000万ドルで,前年同期の8億5100万ドルに比べ33%の増収。なお当期の売上高には,為替差益2900万ドルが含まれる。

 前年同期は,1000万ドルの営業損失を計上していたが,当期は,売上高の5%に当たる5200万ドルの営業利益を上げた。一時的な費用を除いた営業利益は4600万ドル増の7400万ドルとなった。これは,売上高の6%に該当する。前年同期における同条件の営業利益は,売上高の3%を占める2700万ドルだった。

 純利益は1600万ドル(1株当り利益は4セント)。前年同期は,純損失3500万ドル(1株当り損失は9セント)を計上していた。Pro formaベースの純利益は,4800万ドルに増加して,1株あたりの利益は11セントだった。前年同期は,損益がゼロだった。

 Amazon.com社創設者兼CEOのJeff Bezos氏は「送料無料サービスや商品の割引によって,今年はホリデー・シーズンの贈り物を求めてより多くの顧客が見込める」と来期にかける期待を明らかにした。

 同社は,25ドル以上の注文に対して送料無料サービス「Free Super Saver Shipping」を提供している。英国,ドイツ,フランス,日本,カナダでも同様のサービスを実施している。Amazon.comは,15ドル以上の書籍に対して30%割り引き価格を適用している。また,新しいショップのプロモーションとして,現在アパレルとスポーツ用品の割り引きプログラムも実施している。

 当期のその他の主な業績は以下の通り。
・全世界における販売数が前年同期と比べ36%拡大した。

・サードパーティによる販売数は,全世界の販売数全体の22%に増加した。前年同期は17%だった

・北米部門の売上高は前年同期比21%増の7億900万ドル。営業利益は前年同期比137%増の6300万ドルで,売上高の9%を占めた

・英国,ドイツ,フランス,日本といった海外部門の売上高は,前年同期比61%増の4億2600万ドル(為替差益2800万ドルを含む)。同部門の営業利益は1100万ドルだった。

・在庫回転率は前年同期と同じ19%だった

・米国でスポーツ用品,日本でエレクトロニック・ストアを開店した。

 また同社は,2003年第4四半期の予測も明らかにした。売上高は23~34%増加し,17億6000万ドル~19億ドルの範囲となる見通し。営業利益は1億1000万~1億4000万ドルを見込む。

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