米Yahoo!は,同社のWebベース電子メール・サービス「Yahoo! Mail」ユーザー向けに,新たなスパム対策ツール「AddressGuard」および「SpamGuard Plus」と,スパムに関する情報提供を行う「Anti-Spam Resource Center」を米国時間10月21日に発表した。

 「カスタマイズ可能なこれらツールにより,スパムの遮断能力が高まっただけでなく,ユーザーが自身のニーズや習慣に合わせて直接スパム対策を講じることができるようになる」(Yahoo!社Communications Products部門担当副社長のBrad Garlinghouse氏)

 AddressGuardは,本来のメール・アドレスのほかに,使い捨ての転送用アドレスを設定するための機能。ユーザーは,家族とのやり取り,趣味のメーリング・リスト,出会い系サイトなど,異なる目的のために個別の転送用アドレスを設定できる。万一,アドレスがスパマーの手にわたってしまった場合は,そのアドレスを削除すればよい。米メディア(InfoWorld)によると,ユーザーが設定できるアドレスの数は最大500個という。

 米Harris Interactiveが電子メール・ユーザーを対象に行った調査では,オリジナルのメール・アドレスを「オンライン・ショッピングの際に使用することに抵抗がある」という回答者が45%,「オンライン・コミュニティやチャットに参加する際に使用することに抵抗がある」という回答者は72%に達したという。Yahoo!社では「転送用アドレスは,オリジナルのメール・アドレスをスパマーから守るために,ユーザーが積極的に利用できる便利な機能」と説明する。

 SpamGuard Plusは,ユーザーがどのようなメールをスパムとみなすかを学習する適応型フィルタリング機能である。ユーザーは,「This is spam」と「This is not spam」ボタンをクリックすることで,フィルタの精度を向上できる。

 Anti-Spam Resource Centerでは,スパムに関する情報や,Yahoo! Mailのスパム対策ツールの利用方法などを提供する。例えば電子メール・ユーザーの約半数は「スパマーに返信してスパムの送信を停止できる」と誤解しているが,実際はそのアドレスが有効であることをスパマーに知らせることになってしまう。このため同社は,スパムに関してユーザーを教育/啓蒙することも必要だとしている。

 AddressGuardとSpamGuardは,Yahoo! Mailの有料版「Yahoo! Mail Plus」ユーザー用。Yahoo! Mail Plusの年間利用料金は29.99ドルから。

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