米VeriSignは,ブラジルの通信会社Embratelのクリアリングハウス部門であるUNC-Embratelを約1600万ドルで買収した。VeriSign社が米国時間10月20日に明らかにしたもの。UNC-Embratel社は,ブラジル国内の有線/無線通信キャリアに,通話のルーティングと精算業務サービスを提供している。

 VeriSign社は現在,国際無線キャリア向けにネットワーク管理,詐欺防止,プリペイド・サービス,テキスト・メッセージングの相互接続といったサービスのほか、ローミング,GPRSローミング・ エクスチェンジ,ITU(国際電気通信連合)および ANSI(アメリカ規格協会)標準信号処理といったサービスも展開している。同社はUNC-Embratel社の買収によって,中南米市場における足場を築く計画という。

 「UNC-Embratel社の顧客やブラジル市場に,プリペイド・サービスや無線データ・サービスといった最新の技術を提供できるようになる。買収は,ブラジルで長期的に事業を展開しようという当社の決意の現れである」(VeriSign社Telecommunication Services部門担当執行副社長のVernon Irvin氏)

 Embratel社の従業員約20人を VeriSign社に移管し,サンパウロで業務を行う。VeriSign社は買収によって,2004年に500万~1000万ドルの利益を計上できると見込んでいる。

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