米IBMは米国時間10月15日に,2003年第3四半期決算を発表した。継続事業ベースの売上高は215億ドルで,前年同期の198億ドルから9%増加した(為替の影響を除いた場合,4%増加)。継続事業ベースの純利益は18億ドルで,前年同期の17億ドルから5%増加。また,当期における希薄化後の1株当たり利益は1ドル2セントで,前年同期の99セントと比べ3%増となった。

 継続事業ベースの売上高を地域別にみると,米大陸が94億ドルで全体の4分の3を占めた。前年同期と比べ4%の増加(為替の影響を除いた場合,3%増加)である。欧州/中東/アフリカは68億ドルで同19%増(同7%増),アジア太平洋地域は48億ドルで同11%増(同7%増)となった。すべての地域におけるOEM収入は6億4300万ドルで,同26%減少(同26%減)だった。

 部門別にみると,メンテナンス事業を含めたGlobal Servicesの売上高は104億ドルで,前年同期比17%増加(為替の影響を除いた場合,11%増加)。約1年前に買収した米PwC Consultingの事業が成長に貢献した。メンテナンス事業を除いたGlobal Servicesの売上高は同18%増(同13%増)となる。なお,IBM社が当期に獲得したサービス契約は150億ドル規模以上になる。

 継続事業によるハードウエア部門の売上高は67億ドルで,前年同期比1%減(為替の影響を除いた場合,5%減)だった。「eServer」やストレージ・システム製品を含むSystems Groupの売上高は32億ドルで同6%増(同横ばい)。米Intel製プロセサを搭載した「eServer xSeries」,UNIXベースの「同pSeries」,ミッドレンジ・サーバー「同iSeries」が売上高の増加をけん引した。Personal Systems Groupの売上高は,パソコンの販売が好調で28億ドル。前年同期と比べ2%増加した(同2%減少)。

 ソフトウエア部門の売上高は前年同期比11%増(為替の影響を除いた場合,5%増)の35億ドル。「WebSphere」「DB2」「Rational」「Tivoli」「Lotus」などのミドルウエア製品による売上高は,前年同期比14%増(同8%増)の27億ドル。OSの売上高は同6%増(同横ばい)の6億1000万ドルだった。

 Global Financing部門の売上高は前年同期比10%減(為替の影響を除いた場合,14%減)の7億1500万ドル。Enterprise Investmentsとその他の部門は同3%増(同3%減)の2億6600万ドルだった。

 IBM社の当期における粗利率は36.3%で,前年同期の36.9%からやや減少した。

 IBM社社長兼CEOのSamuel J. Palmisano氏は,「経済状況の安定を示唆する兆しが見え始めている。2004年はより多くの企業がIT支出を増額するだろう。すべての分野で需要が回復しているわけではないが,当社が注力している分野は極めて好調だ。来年は,高付加価値サービス,Linux,標準規格のハードウエアやソフトウエアなど,主要な技術分野において約1万人を新たに雇用する予定である」と述べた。

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