Web関連技術の標準化を進めるWorld Wide Web Consortium(W3C)は,Webフォーム記述言語「XForms 1.0」をW3C勧告(Recommendation)として公開した。W3Cが米国時間10月14日に明らかにしたもの。同言語を使用すると,「目的と表示,XML形式で得られる入力結果とを分離し,それらを組み合わせた次世代Webフォームを実現できる」(W3C)

 W3Cによると,「Webユーザーは携帯電話機やハンドヘルド機器,または音声による画像読み上げソフトウエアなどを使ってWebを利用したいと望んでいるが,HTMLベースのフォームは設計限界に達している」という。「その一方でフォーム製作者は,スクリプト作成を最小限にするとともに最大限フォーム部品を再利用でき,フォームの目的/表示/結果を明確に分離できる手法を求めている」(W3C)

 HTMLフォームでは,機能と表示用のマークアップが混乱した状態になっている。それに対しXFormsは,フォームの目的,表示,入力結果を分離できる。これにより,以下のようなメリットが生まれる。

・モジュール再利用:
 XFormsのモジュールは,収集する情報と関係なく再利用できる。

・機器非依存:
 ユーザー・インタフェース制御部分が抽象化されており,異なる機能を持つ機器上でも同じフォームを利用できる。

・アクセシビリティ:
 情報の内容と表示を分離したことで,音声読み上げ機能などユーザー補助技術の利用が容易になる。

 さらにXFormsはXMLを採用したことから,以下に示す特徴も備える。

・入力データはXML形式となるので,検証や処理が容易。

・入力データの国際化対応も可能。

・XML文書の編集にXFormsを利用できる。

・ビジネス・プロセスでXMLスキーマを利用していれば,入力データの検証に利用できる。

・XForms間でXMLスキーマの再利用が可能。

・Webサービスとの連携に対応。

 なおモバイル機器にXFormsを実装するためのモバイル・プロファイル「XForms Basic」は,現在W3C勧告候補(Candidate Recommendation)の状態にある。「あるモバイル機器で行った実装がXFormsのテスト・スイートに合格した時点で,勧告になるだろう」(W3C)

 XForms策定作業に参加した主な企業/組織は以下の通り。米Adobe Systems,オランダCentre for Mathematics and Computer Science(CWI),米Cardiff Software,ヘルシンキ工科大学,米IBM,ドイツMozquito Technologies,米Novell,米Oracle,英Origo Services,カナダPureEdge Solutions,ドイツSAP AG,米Sun Microsystems,英x-port.net。

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