米Jupiter Researchは,「消費者の関心に合わせてコンテンツをカスタマイズしたWebサイトでROI(投資回収)を実現できるとは限らない」などとする調査結果を米国時間10月14日に発表した。

 Jupiter Research社の調査によると,カスタマイズされたコンテンツによって,「オンライン・ショッピングをより頻繁に利用するようになった」という回答者は14%,「ニュースやエンターテインメント・サイトなどをより頻繁に訪れるようになった」とする回答者はわずか8%だった。

 一方,多くのネット・ユーザーは,Webサイトの基本的な機能が向上すれば,Webサイトをより頻繁に利用すると回答している。改善してほしい点として希望が多かったのは「ページの読み込み速度の向上」(54%)や「閲覧のしやすさ」(52%)だった。

 米メディア(CNET News.com)によると,「個人情報の誤用を懸念して,Webサイトのカスタマイズを避けている」という回答者は25%以上に達した。また,ほぼ同数の回答者が同様の理由から,Webサイトへの登録を避けていることがわかった。

 カスタマイズしたWebサイトは,同レベルの機能を備えた動的サイトよりも,構築や運営コストが4倍以上かかる。「カスタマイズしたWebサイトの多くは,ROIを実現できずに失敗する。カスタマイズしたコンテンツの方が,ユーザーとサイトの運営者の両方にとって有益だという通念が誤ったものであることが明かとなった」(Jupiter Research社リサーチ・ディレクタのMatthew Berk氏)

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