米IBMは米国時間10月13日に,ストレージ管理ソフトウエア「TotalStorage SAN File System」を発表した。「異種プラットフォームが混在する環境でファイルやデータベースを一元的に管理し,データ管理を自動化できる業界初のソフトウエア」(同社)とする。

 TotalStorage SAN File Systemのアーキテクチャは,同社の研究開発部門IBM Researchの自律的なグリッド技術を基盤としており,「ゆくゆくは数千台におよぶコンピュータやペタバイト単位のデータにも対応できる」(同社)という。また,ポリシー・ベースのファイル配備,分散型ファイル・ロック,ファイル・ベースのデータを瞬時に複製する「FlashCopy」機能などを備える。これらにより,日々のデータ管理を自動化し,生産性の向上や効率的な情報共有を実現する。

 米メディア(CNET News.com)によると,同ソフトウエアはIPネットワークを介して接続された複数のサーバーを,分散型ストレージ・ネットワークとして連携させ,プラットフォームの影響を受けることなくローカル・ファイル・システムのように動作させる。そして,物理的位置,ファイル容量,アクセス許可といったデータ情報を“メタデータ”として管理する。

 IBM社Storage Systems部門担当ジェネラル・マネージャのDan Colby氏は,「当社のSAN File Systemは,情報の分類,管理,共有,アクセス方法を根本から変える,動的で自律的なシステムだ。図書館で浸透しているDeweyの十進分類法のように,企業データ管理の標準システムとなる潜在性を秘めている」と説明する。

 IBM社は,同社のデータ管理ソフト「DB2 Data Management」やストレージ管理ソフト「Tivoli Storage」との連携を図るほか,米Oracleや米VERITAS Softwareと提携して互換性の確保やサポート提供を行う予定である。

 TotalStorage SAN File Systemの販売は11月14日より開始する。同ソフトウエア専用のメタデータ・サーバー2台を含む基本構成時の価格は9万ドル。

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