米Apple，「Panther」と「Panther Server」を米国時間10月24日に販売開始

早坂利之

2003.10.09

　米Apple Computerは米国時間10月8日に，パソコンOSの最新版「Mac OS Xバージョン10.3（Panther）」とサーバーOSの最新版「Mac OS X Serverバージョン10.3」（Panther Server）のリリースについて明らかにした。ともに10月24日午後より販売を開始する。Apple社の販売店や認定販売代理店で午後8時より，発売イベントを開催する。

　Mac OS Xバージョン10.3は，「Finder」を刷新したほか，開いているウインドウを一目で見わたせる「Expose」機能やビデオ会議が可能な「iChat AV」など，「150以上の新機能を搭載する」（Apple社）。

　「Mac OS Xバージョン10.3は，バージョン10.2と比べて最大6倍の速さでファイルを検索する」（Apple社CEOのSteve Jobs氏）

　Mac OS Xバージョン10.3のその他の主な特徴は以下の通り。

・アプリケーションを終了したりログアウトすることなく，アクティブ・ユーザーを切り替える「Fast User Switching」。

・最新のセキュリティ規格と128ビット暗号化技術を用いて，ホーム・ディレクトリのデータを保護する「FileVault」。

・簡単にフォントをプレビュ，インストールし，フォントの使用／非使用を設定できる「Font Book」。

・PDFファイル内の文字検索，文字選択を高速で実行する「Preview」。「PDF 1.4」をサポートする。

・「iDisk」を向上し，オフラインで行なった作業を自動的に「.Mac」のインターネット・サーバー・ストレージに同期化する。

・高度なスパム・フィルタリング技術を搭載するほか，メッセージの整理を簡素化するための機能を強化した「Mail」。

・ファイル，プリンタ，ネットワーク・サービスをWindowsユーザと簡単に共有できるようWindowsとの互換性を向上。Exchangeのメールへのアクセスや，「Address Book」との同期が簡単に行なえる。

・最新のオープン・ソース・ライブラリ，コマンドおよび技術へのサポート，X11アプリケーション，IPv6のサポート，Kerberosの統合，NFSファイル・システムの向上など，UNIXベースの基盤を強化。

　Mac OS X Serverバージョン10.3は，「実績のあるオープン・ソースとオープンな標準ベースのサーバー機能を実装し，優れたユーザー・インタフェースを備えた管理ツールを提供する」（Apple社）。LDAPディレクトリ・サービスとKerberos認証サービスを実行する「Open Directory 2」，Windowsクライアント向けにログインおよびホーム・ディレクトリ・サービスを提供する「Samba 3」，Java 2 Platform, Enterprise Edition（J2EE）アプリケーションを実行するための「JBoss」アプリケーション・サーバなどが含まれる。

　また，新しいサーバ管理ツールにより，システム管理者はMac OS X Serverバージョン10.3に実装されている各種サービスの設定，管理，監視が容易に行なうことができる。

　Mac OS Xバージョン10.3の価格は，シングル・ユーザー・ラインセンスが129ドル。同一住所で5台までインストール可能な「Mac OS X Panther Family Pack」は199ドル。Mac OS X Serverバージョン10.3の価格は，10クライアント版が499ドル，クライアント数無制限版が999ドル。

　また同社は，スケジュール管理ソフトウェアの最新版「iCal 1.5.1」と，同期化ツールの最新版「iSync 1.2.1」の提供開始も発表した。iCal 1.5.1は，イベントの詳細を作成および管理するための新しいユーザー・インタフェースなどを備える。iSync 1.2.1は，「Symbian」搭載スマートフォンのカレンダをサポートする。ともに同社WWWサイトから無償で入手可能。