フィンランドのNokiaは,企業向けにモバイル・ワーカーのアクセスを向上させる「Nokia Access Mobilizer」を現地時間10月6日に発表した。同製品により,企業はブラウザ対応端末を持つモバイル・ワーカーに,企業の電子メール,カレンダ,コンタクト,タスクに安全なアクセスを提供するだけでなく,電子メールの添付ファイルやイントラネットとインターネットへのリンクにアクセスする手段の提供が可能になる。

 Nokia Access Mobilizerは,モバイル・ワーカーが重要な企業データに安全にアクセスできるようにするアプライアンス・ベースのソリューションの配備を望む中規模から大規模なIT部門に適している。ブラウザに対応する任意のデバイスで利用できる。無線デジタル標準の種類に関係なく端末のディスプレイ要件を検知することにより,Officeドキュメント,PDFドキュメントなどのコンテンツをモバイル端末に表示させられる。

 同製品は,企業ファイアウオールの後ろにインストールされたアプライアンス・ベースの製品のように,既存のセキュリティ・インフラを利用する。元となるコンテンツのソースに変更や修正を施したり,端末上にクライアント・ソフトをインストールする必要が無いため,ユーザーは既存の携帯電話機やPDAを使って即座にコンテンツにアクセスできるようになる。ユーザーは,端末上でブラウザを起動して企業のセキュアURLを指定すれば良い。IDとパスワードでログインすれば,時間や場所に関係無く自由に働くことができる。

 同ソリューションのユニークな点は,端末やネットワークの種類に関わらず,コンテンツを迅速かつ効率的な方法で配信できることにある。転送されたデータはすべて,モバイル端末ではなくオリジナルのサーバー上に保持される。そのため,端末を置き忘れても重要な情報を危険にさらす可能性が低い。

 「ユーザーは,どのようなブラウザ対応の端末からも電子メールを読んで返信したりプレゼンテーションを見ることができる。他にもWebまたは企業イントラネット上のコンテンツにリアルタイムでアクセスできるようになる。オフィスに戻ったときにデバイスの同期といった特別なことをする必要はまったく無い」(同社Nokia Access Mobilizer事業部門のジェネラル・マネージャのSam Leinhardt氏)

 同製品は,現在米国と欧州のみ注文を受け付けている。その他の地域における提供は2004年前半に予定されている。

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