英Reutersと米Microsoft，金融サービス向けIMサービスの相互接続で提携

早坂利之

2003.10.01

　米Microsoftと英Reutersは，インスタント・メッセージング（IM）のサービスに関して協力体制を敷いたと米国時間9月30日に発表した。

　提携により，Reuters社は，Microsoft社の企業向けIMサービス「MSN Messenger Connect for Enterprises」を介して同社のIMサービス「Reuters Messaging」とMicrosoft Messengerネットワーク間で安全かつシームレスなアクセスを実現するための開発を行なう。

　Reuters社が金融業界向けの安全なメッセージング・ネットワークを強化することにより，金融業界の5万人を越えるReuters Messagingユーザーは，1億人を越えるMicrosoft社のIMサービスのユーザーとの管理された通信が可能になる。企業が管理する1つの認証で両方のネットワークにシームレスにログオンして，MSNのユーザーと通信できるようになる。

　Reuters Messagingは，Reuters社がMicrosoft社と共同開発した金融サービス機関向けIMサービス。メッセージの保管や監査に関する法規など，ビジネス・セキュリティや金融機関向けの規定に対応する。同サービスは，Microsoft社のIMサーバー「Microsoft Office Live Communications Server」を利用する。MSN Messenger Connectは，Microsoft Messengerネットワーク上で実施するIMセッションにロギング，監査，認証管理機能を追加する。Reuters Messagingサービスの新版は，2004年第1四半期に提供される予定。

　両社は，金融サービス機関向けの通信ソリューションで長期的に提携関係にあった。同プロジェクトの目的は，2つのIMサービス間で安全なサーバー・ツー・サーバーの接続を確立することにあり，両社が2002年11月から手がけていた。

　なおReuters社は今年9月に，米AOL Time WarnerのAmerica Online（AOL）と米IBMと同様の提携関係に入ったばかり。Reuters Messagingのユーザーが，AOL社のIMサービス「AOL Instant Messenger（AIM）」および「ICQ Chat」，またIBM社の「Lotus Instant Messaging」と直接通信できるように協力体制をしいた。