米In-Stat/MDRは米国時間9月30日に,携帯電話基地局の世界市場に関する調査結果を発表した。それによると,2002年における携帯電話基地局の売上高は310億ドルを超えたが,価格競争や加入者の伸び悩みなどにより2007年には売上高がおよそ半分に減少する見通しだ。

 「携帯電話サービス・プロバイダは,音声サービスが固定回線からモバイルに移行したのと同様に,データ通信も固定回線からモバイルへ移行すると考えていた。しかし,音声とモビリティ(移動性)は無理なく合うが,データとモビリティは違う」(In-Stat/MDR社主席アナリストのAllen Nogee氏)

 同氏は,第3世代(3G)が普及するためには,携帯電話機の信頼性と費用対効果が向上する必要があると,指摘する。「CDMA2000 1Xはこの課題を克服しているが,UMTSにはまだ問題が残っている。UMTS携帯電話機の価格が下がるのは数年先になるだろう。2006年になれば,通信事業者もUMTSをためらいなく導入するようになる」(In-Stat/MDR社)

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・UMTS基地局は,キャンセレーションの問題により,2003年の出荷台数が減少している。しかし,問題が解決すれば,4万台以上の出荷台数増が見込める

・1年当たりの基地局の新規販売台数は,2003年の23万台から年平均7%で減少し,2007年には16万3000台となる

・基地局の新規売上高は,2002~2007年に年平均12.8%で縮小する

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