米Microsoftをめぐるカリフォルニア州集団訴訟の和解に関して,米Lindows.comがその申請手続きを代行する「MSfreePC」キャンペーンを行っているが,Microsoft社は同キャンペーンの中止をLindows.com社に要請した。Lindows.com社が米国時間9月29日に明らかにした。

 Microsoft社は,カリフォルニア州の独占禁止法と不正競争防止法に違反したとして起こされていた集団訴訟において,2003年1月に原告側と11億ドルの和解金で合意に達した。和解条件のもと,1995年2月18日から2001年12月15日の間にMicrosoft社のOSや,プロダクティビティ・スィート製品,表計算ソフト,ワープロ・ソフトをカリフォルニア州内で使用する目的で購入したユーザーに対して,クーポン券が配布される。ユーザーはこのクーポン券を使って,デスクトップ・パソコン,ノート・パソコン,タブレット・パソコン,特定の周辺機器,サービス,ソフトウエアを購入できるようになる。ソフトウエアはMicrosoft社製品以外のものを購入してもかまわない。また,和解金のうち,クーポン券が請求されなかった分についてはその3分の2が,カリフォルニア州の公立学校へ寄付される。

 Lindows.com社は,この和解の適用対象となる同州住民の申請手続きを処理するMSfreePCキャンペーンを2003年9月16日に開始した(Lindows.com社のプレス・リリース)。MSfreePCサイト(http://www.msfreepc.com)で申請を済ませると,最大100ドル相当のLindows.com社製ソフトウエアまたはハードウエア購入に利用できる「instant settlement」を即座に取得できる。また,無料のパソコンが当たる可能性がある。

 Lindows.com社が今回受け取った中止要請の書簡は,Microsoft社の代理を務める米法律会社HellerEhrmanを通じて送られたもの。同書簡では,MSfreePCのWebサイトが「消費者を欺き,和解についての解釈を曲げ,民衆を間違った方向に導いており,否認されるであろう不適正な申請を助長している」と非難。MSfreePCのWebサイトで手続きを行った電子署名は無効だという。「Microsoft社は,和解条件に沿って恩恵を受けるべき適用対象者の権利を保護する」とし,Lindows.com社が2003年9月29日正午までになんらかの矯正案をMicrosoft社に知らせなければ,「相応の行動をとる」と述べている。

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