米DisplaySearchは,2003年第2四半期における10インチ以上の大型TFT液晶ディスプレイ(LCD)市場に関する調査結果を,米国時間9月25日に発表した。出荷台数は2310万台で,前期比15%増,前年同期比31%増加した。売上高は過去最高の52億ドルにのぼった。

 当期の出荷台数は事前予測の「前年同期比13%増」を37万9000台上回った。大幅増の理由についてDisplaySearch社は,「LCD TVパネル,ノート・パソコン用パネル,LCDモニター・モジュールが事前予測を上回る伸びをみせたため」と説明した。

 出荷台数が増えていることから,2003年第1四半期には2%の供給過多だった大型TFT LCDが,当期は2%の供給不足となった。そのため,大型LCDの平均販売価格(ASP)は7%上昇した。
 
 カテゴリ別の主な調査結果は以下の通り。

・ノート・パソコン向け:
 15インチ型XGA(1024×768)パネルが,14.1インチ型XGAパネルの出荷台数を上回った。2003年第4四半期における出荷台数シェアは,15インチ型の36%に対して,14.1インチ型は24%となる見込み。

・LCDモニター向け:
 15インチ型XGAパネルの出荷台数増加率は,事前予測を5ポイント上回った。これは15インチ型LCDモニターの平均市価が,17インチ型LCDモニターと比べて150ドル以上低く,手ごろな価格となっているため。

・LCD TV向け:
 15インチ型XGAが20インチ型VGA(640×480)の出荷台数を上回った。ただし,20インチ型VGAは手ごろな価格となっていることから,今後盛り返す可能性がある。
 
 DisplaySearch社は今後の見通しについても明らかにした。2003年第3四半期の市場は,ノート・パソコン向けパネルやLCD TVで大幅な需要増が見込めることから,出荷台数が前期比13%増,前年同期比61%増の2620万台を予測する。売上高は前期比22%増の63億5000万ドルに達する見込みだ。2003年第4四半期には成長速度が弱まるものの,売上高は前期比14%増の73億ドルに拡大する。

 「TFT LCD市場はいずれのカテゴリでも好調に推移しており,2003年通期の大型LCD出荷台数は前年比42%増の9720万台,売上高は同32%増の230億ドルに達する見込み」(DisplaySearch社社長のRoss Young氏)

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