米Hewlett-Packard(HP)は,オランダのRoyal Philips Electronics社の半導体部門に「HP Utility Data Center(UDC)」を構築した。両社が現地時間9月24日に発表した。同センターにより,Philips社はITコストを削減するとともに市場の変化にリアルタイムに対応するITインフラの運用が可能になるという。

 UDCは,IT運用に関わる負担軽減を目指す企業向けITソリューション戦略「HP Adaptive Enterprise」の鍵になるもの。同データ・センターは,オランダのナイメーヘンにあるPhilips社の敷地に配備されて運用が開始された。Philips社は,柔軟性のあるITインフラの構築と低価格なデータ・センター管理が実現可能になる。

 HP UDCは,物理的にハードウエアの配線をやり直すことなく,単一のコンソールから数分間でサーバーとストレージ・リソースを仮想的に割り当てることができる。同センターにより,Philips社はインフラ配備と運用コストを削減できるだけでなく,既存のサーバーを新しいHP UDCで活用することによりこれまでのIT投資を活かすことができるという。

 また,同社は,HP社の「IT Service Management」をベースに「HP OpenView」管理ソフトを配備することによってITをサービスとして管理する運用プロセスを実装する。ITインフラに柔軟性を追加するために,同社とHP社は,ストレージを利用した分だけ料金を支払う環境の実装でも協調している。

 Philips社の半導体部門では,HP UDCによりいくつかのアプリケーションの継続的なニーズの変化に対応してサーバーとストレージの再構成に対応可能となっている。その他のプロダクション・サーバーの拡張は同年末までに実施が予定されている。

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