ウイルス対策を手がける英Sophosは,スパム対策ソフトウエアを開発するカナダのActiveStateを買収した。同社が現地時間9月24日に発表した。買収価格は2300万ドル。取り引きは現金で行なわれる。

 ActiveState社は,カナダのバンクーバーを拠点として,米Hewlett-Packard(HP),米Intel,米Microsoftを含め200万を越える顧客を抱える。Sophos社は,ActiveState社の株式を獲得するとともに100名を越えるすべての従業員を引き受ける。バンクーバーにある本社をSophos社の研究開発センターとして利用して,カナダにおけるローカル市場のサポートを提供するとともに西海岸におけるサポートを拡張する。

 ActiveState社のオープンソース・プログラマ向け製品ラインは,ActiveStateブランドの元に開発と販売が継続される。ActiveStateチームは,Sophos社の事業部門として引き続きオープンソース言語コミュニティをサポートする。

 ActiveState社の社長Steve Munford氏は,Sophos社の幹部経営チームのメンバーとして迎えられるとともに,Messagingのブローバル副社長としてのポストが用意され,Sophos役員会議に参加する。

 Sophos社は,同社の対ウイルス技術をActiveState社の企業向け電子メール保護ソフト「PureMessage」に統合して,対ウイルスと対スパム保護製品を単一の製品「Sophos PureMessage」として提供する。現在PureMessageは,AIX,HP-UX,FreeBSD,Linux,Solarisをサポートしている。

 米調査会社のGartner社によれば,平均的な企業のメールボックスにおいておよそ半分のメッセージがスパムに占められている。同社のリサーチ・ディレクタのArabella Hallawell氏によれば,電子メール・レベルにおいて対スパムと対ウイルス保護とサービス機能を組み合わせた製品とサービスへの企業の需要が高まっているという。

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