人体への埋め込みを想定した超小型ICを手がける米VeriChipが,皮下埋め込み用チップの初回注文を受けた。同社の親会社である米Applied Digital Solutionsが米国時間9月19日に明らかにしたもの。

 VeriChips社は,皮下埋め込み用チップ「VeriChip」約700個と専用スキャナ60台を,コロンビアとベネズエラに供給する。製品の出荷は9月22日の週に開始する予定である。両国への供給は,コロンビアの販売事業者を介して行う。VeriChips社は同販売事業者との5年間にわたる独占契約を,2003年7月に発表している。契約条件の年間最小注文数は,両国合わせてVeriChipsが2万7000個,スキャナが1380台(今回発表した初回注文は含まない)。

 VeriChipは米粒大のRFID(無線認識)マイクロチップ。内部にユニークな認証番号を持たせており,これを専用スキャナで読み取る。VeriChipは通常はスリープ状態だが,スキャナのわずかな無線周波により動作し,認証番号の信号を送信する。同チップは2002年10月に,米食品医薬品局(FDA)から「安全管理,金融,個人認証の分野に限って使用し,医療および健康の分野では使わない」ことで承認を受けているという。

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