米Intelが米国時間9月18日に,「Internet Exchange Architecture(IXA)」ネットワーク・プロセサ向け開発環境の新版「IXDP2401」「同2801」「同2851」を発表した。旧版に対し開発用ソフトウエアやサービスを強化しており,「通信インフラ業界でネットワーク・アクセス,エッジおよびコア・セグメント用のモジュラ・ソリューション開発の迅速化に貢献する」(Intel社)

 同環境は,通信アプリケーション用ブレード・サーバー仕様「Advanced Telecom Computing Architecture(AdvancedTCA)」や同社のIXAネットワーク・プロセサ向け開発キット「IXA Software Development Kit 3.1」をベースとするソフトウエア・ツールと,ハードウエアを組み合わせた開発用スイート製品。同社では,「ソフトウエアとサービスを強化したことで,DSLアクセス・マルチプレクサ(DSLAM:DSL局収容モデム),ハイエンド・ルーター,無線ネットワーク・コントローラ,マルチ・サービス・スイッチなどの開発作業にかかる時間を短縮できる」と説明する。

 IXA Software Development Kit 3.1の主な強化点は,ネットワーク・プロセサの主要機能を紹介するとともに,同社製ハードウエアを使うアプリケーションに低レベルのソフトウエア・ビルディング・ブロックを組み込むプログラミング・モデルを示す“模範設計”を付属させたことにある。

 さらに同社は,2004年前半に開発キット用の性能評価ツール「IXP2XXX Architecture Tool」を提供するとしている。同ツールは一種のソフトウエア・モデルで,アプリケーションの性能評価を行うだけでなく,ソフトウエア開発を行う前にプロセサとメモリーの使用状況も計測できる。「開発の初期段階でこうした実現性試験を実施することにより,コストのかかるやり直し作業を排除し,パフォーマンスを向上させる最適化が行える」(同社)

 同開発環境用のハードウエアとしては,同社のネットワーク・プロセサ「IXP2400」「IXP2800」「IXP2850」のいずれかと,I/Oオプション・カードのほかに,シングル・ボード・コンピュータやスイッチなどのAdvancedTCAボードを装着可能な拡張スロットを備えるきょう体が付属する。

 また同社は2004年より,モジュラ構造で標準ベースのソフトウエア・データ・プレーン・アプリケーションを含むアプリケーション・キットの提供を始める。同キットのアプリケーションは,ユーザーのコントロール・プレーン,管理,独自開発ソフトウエアに容易に組み込めるという。

 同キットは,同社のCommunications Software Services部門や,Intel Communications Allianceに加盟しているソフトウエア/サービス・ベンダーの提供するプロフェッショナル・サービスと組み合わせることも可能。「このサービスを利用すると,独自仕様のソフトウエアやハードウエアに適合するよう当社製ソフトウエアを改造できる」(同社)

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