米IDCが米国時間9月18日に,セキュリティ機器市場に関する調査結果を発表した。それによると,2003年第2四半期における売上高は3億3300万ドルで,前年同期に比べ3000万ドル増え,規模が10%拡大したという。

 カテゴリ別にみた場合,侵入検出分野が前年比29.2%増と大きく伸びた一方で,ファイアウオール/VPNセキュリティ機器分野は7.5%増にとどまった。

 「侵入検出ソフトウエアの売上高が不調だったのと対照的に,侵入検出アプライアンスは好調だった。この状況は,多くの企業/組織が依然としてネットワーク監視を重要視していることを意味する」(IDCセキュリティ製品サービス担当調査ディレクタのCharles Kolodgy氏)

 地域別にみると,西欧が前年同期比13.5%成長,米国が同12.4%成長。アジア太平洋地域と日本はいずれも前年同期に比べ売上高が減少し,それぞれ11.3%減,1.7%減だった。

 ベンダー別では,米Cisco Systemsが1位を維持したが,売上高は前年に比べ1.0%減少するとともに,売上高ベースの市場シェアも縮小してしまった。トップ5ベンダーのなかで最も成長率が高かったのは米NetScreenの92.0%増。同社は市場シェアを約7ポイント拡大した。

■2003年Q2のトップ5ベンダーの売上高と市場シェア(売上高の単位は100万ドル)
ベンダー名2003年Q22002年Q2成長率
売上高市場シェア売上高市場シェア
Cisco114.3634.3%115.5438.0%-1.0%
NetScreen53.2216.0%27.729.1%92.0%
Nokia44.1213.2%52.0717.1%-15.3%
SonicWALL17.905.4%21.437.1%-16.5%
WatchGuard13.184.0%12.584.1%4.8%
その他90.4527.1%74.5024.5%21.0%
合計333.23100.0%303.84100.0%9.7%
出典:IDC

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