米Intelと米Xeroxはコピー機やプリンタなど向けの画像処理用デジタル・メディア・プロセサ「MXP5800」「MXP5400」を共同開発した。両社が米国時間9月10日に明らかにしたもので,Intel社がサンプル品の提供を始めた。

 MXP5800とMXP5400は,デジタルコピー機,スキャナ,プリンタ,複合機などミッドレンジからハイエンドのデジタル画像処理装置向けのメディア・プロセサ。専用設計のASICと,プログラム可能なマイクロプロセサを組み合わせてある。

 プロセサの実行するプログラムを変更すれば,製品の開発途中でも新機能を追加したり,発売後にアップグレードしたりできる。「メーカーは開発コストを下げ,設計期間を短縮できると同時に,ASICの性能を製品にいかせる」(両社)

 搭載する演算エンジンの数は,MXP5800が8つ,MXP5400が4つ。各エンジンはそれぞれ独立してプログラム可能なので,異なる処理を同時に実行できる。

 なお現在Xerox社は,両プロセサを使ったデジタル画像処理製品の開発を進めており,「2004年に最初の製品を発売できる」と見込む。さらに,同社の開発した両プロセサ向け画像処理アルゴリズムを他社にライセンス供与することも計画している。

 両プロセサの1万個ロット時の単価は,MXP5800が68ドル,MXP5400が51ドル。量産品は2003年末までに利用可能とする。またMXP5800用の開発キットを2995ドルで提供する。同キットは,PCI開発カード,プログラミング・ツール,サンプル・コード,マニュアルがMXP5800に付属する。

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[発表資料(Intel社)]
[発表資料(Xerox社)]