米Cisco Systemsは,高解像度のカラー・タッチスクリーンを搭載した新しいハイエンドのIP電話機「7970G」と,同社のエントリ・レベルIP電話機2製品のアップグレードを米国時間9月10日に発表した。

 新製品7970Gと7905Gと7912GにおけるXMLサポートは,9月10~12日に米カリフォルニア州で開催される第3回「Cisco Innovation Through Convergence Expo(ITC)」にてデモが行なわれる。

 カラー・ディスプレイを搭載する7970Gは,XMLで書かれたプログラムの実行が可能なため数々の用途に活用できる。たとえば,小売販売店では,顧客と電話で会話をしながら,在庫や配送状況の詳細などが確認できる。ホテルでは,それぞれの客室にて食事の予約,目覚ましコールの設定,イベント・チケットの購入,フライト状況の確認などに活用できる。

 「同IP電話機は,電話機としてだけでなくベータ端末またはアプリケーション端末としての役割も果たす」(同社IP Communications事業部門製品マーケティング・ディレクタのTroy Trenchard氏)

 7970Gは,2004年第1四半期にリリースが予定されている。価格は995ドル。同日アップグレードが発表されたのモノクロ・ディスプレイを搭載する7905Gと7912Gの価格は,それぞれ135ドルと165ドル。アップグレード・モデルにおけるXML機能は,同社が同年末に「CallManager」ソフトの最新版をリリースするまでは利用できない。

 ちなみに,米Synergy Research社と米Dell'Oro社の調査結果によれば,Cisco社のIP電話機の売り上台数は,同市場の50%を越えている。Cisco社は,先ごろIP電話機の出荷台数が200万台に達したことを明らかにしている。

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