米IBMが,動作周波数3.06GHzのIntel Xeonプロセサを搭載して性能と機能の強化を図ったブレード・サーバー「eServer BladeCenter」を米国時間9月9日に発表した。IBM社では,「同時にコストも下げた結果,最大33%の経費削減が可能」としている。

 同社は同サーバーの性能を計測した結果から,「2プロセサ構成のブレード・サーバーとしては,世界で最も強力」と主張する。さらに,「低い処理コストでより多くのトランザクションに対応し,応答時間に優れ,対応可能な同時ユーザー数が多い」(同社)という。同社が明らかにしたベンチマーク・テストの結果は以下の通り。

・SPECweb99_SSL:
 Webトランザクションの処理性能を測るテスト。米Red HatのLinuxを動作させたBladeCenterは同時に1304接続を達成したのに対し,米Hewlett-Packard(HP)のProLiant BL20p G2は1242接続だった。

・MAPI Messaging Benchmark(MMB2):
 8時間の業務を行う環境を想定したスループット性能を試験するテスト。BladeCenterは1万MMB2で,BL20pの9500MMB2に比べ5%性能が高かった。さらに定常状態で4時間の計測を行った場合,BladeCenterは1万MMB2のうち95パーセンタイルの応答時間が293ミリ秒で,プロセサの平均利用率は90.6%あった。

・NotesBench R6 iNotes Workload:
 Web経由で電子メールをアクセスする環境を想定し,平均的なユーザーの応答時間が許容範囲内にある状態で対応可能な最大ユーザー数を計測するテスト。BladeCenterは4000人のユーザーを処理でき,1ユーザー当たりのコストは33.01ドルとなった。また1分当たりのトランザクション数を示すNotesMarkは3444で,1NotesMark当たり38.34ドル。

 また同社は,BladeCenterにカナダNortel Networks製のレイヤー2-7ギガビットEthernetスイッチを採用したことも明らかにした。これにより「データ・センターの構成簡略化とコスト削減を実現するとともに,安全で管理しやすく可用性に優れたネットワーク・インフラを構築できる」(IBM社)という。IBM社eServer BladeCenter担当副社長のJeff Benck氏は,「データ・センターの総所有コスト(TCO)を最大65%削減できる」と説明する。

 さらにBladeCenter用のオプションとして,「BladeCenter Optical Pass-thru Module」と,米Myricomの高速接続用カード「Myrinet Cluster Expansion Card」も用意する。「両オプションを使用すると,高性能技術コンピューティングやほかのクラスタ・コンピューティング用のシステムと高速に相互接続できる」(IBM社)

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