米AOL Time WarnerのAmerica Online(AOL)と英Reutersは,インスタント・メッセージング(IM)のサービスに関して協力体制を敷いたと米国時間9月9日,発表した。

 Reuters社のIMサービス「Reuters Messaging」のユーザーが,同サービスの次期版より,AOL社のIMサービス「AOL Instant Messenger(AIM)」および「ICQ Chat」と,直接通信できるようにする。またAIMユーザーは,Reuters Messagingユーザーを「バディ・リスト」に加えることが可能となる。

 具体的には,Reuters社とAOL社のIMサービスのプロトコル間に仮想的な“橋”を構築し,両社のクライアント・ソフトが送受信されるメッセージを読めるように変換する。

 米メディア(CNET News.com)によると,AOL社のドメインおよび認証アプリケーションと,Reuters社のディレクトリおよびプライバシ・ツールを連携させ,1回のユーザー認証で両システムにアクセスできるシングル・サインオンを提供するという。

 ちなみにReuters Messagingは,Reuters社が米Microsoftと共同開発した金融サービス機関向けIMサービス。メッセージの保管や監査に関する法規など,ビジネス・セキュリティや金融機関向けの規定に対応する。

 「当社の目標は,Reuters Messagingユーザーのアクセス範囲を拡大し,IMサービスを日々の財務業務に統合できるようにすること。AOL社との提携により,当社のユーザーは世界でも最大規模のIMコミュニティにアクセスできるようになる」(Reuters社執行担当副社長兼Collaboration Services部門主任のDavid Gurle氏)

 なお米メディアの(InformationWeek)によると,現在Reuters Messagingのユーザー数は約5万人,AIMのユーザー数は約6000万人という。

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