米Cingular Wirelessと,同社の親会社である米SBC Communicationsおよび米BellSouthは,携帯電話にかかってきた通話を固定電話に転送する充電クレードル「FastForward」を米国時間9月9日に発表した。

 Cingular社の無線通話サービスを利用する携帯電話のアドレス帳に,固定電話の番号を転送先として指定すれば,FastForwardで携帯電話を充電中にかかってきた通話が,その番号に自動的に転送される。転送サービスをオフにしたいときは,FastForwardの全面にある「Cancel」ボタンを押せばよい。

 Cingular社の無線通話サービス利用者は月額料金2ドル99セントで,かかってきた通話を無制限に転送できる。Cingular社のサービスと,SBC社の家庭向け市内通話サービスを利用しているユーザーで,なおかつ両サービス料金の一括請求を受けているユーザーは,転送サービスを無料で利用できる。また,BellSouth社のサービス利用者も,2つの付加サービスを利用し,料金の一括請求を申し込めば,転送サービスは無料となる。なお,FastForwardの本体価格は39ドル99セント。

 3社はFastForwardを,「競合他社との差異化を目指した携帯電話と固定電話の統合サービス」と説明する。「FastForwardによって,SBC社とBellSouth社のサービス利用者の維持と拡大を図り,Cingular社のサービス利用者を増やすのが狙い」(3社)

 FastForwardを利用した転送サービスは,Cingular社のサービス提供エリアで10月1日より開始する。当初は,フィンランドNokiaと米Motorolaの携帯電話機の一部を対象とする。また11月1日をめどに,ドイツSiemensやソニーとスウェーデンEricssonの合弁企業Sony Ericssonなどの携帯電話でも利用可能とする予定。

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