米Hewlett-Packard(HP)が米国時間9月4日に,グリッド・コンピューティングに関する取り組みについて明らかにした。グリッド・ベースのプラットフォーム構築に向けたサービスや技術を提供し,「顧客が分散したITリソースを簡単に使用および管理できるよう支援する」(HP社)としている。
HP社のサービス部門HP Servicesが,グリッド・アーキテクチャの管理,導入,ライフサイクル・サポートを手がける。またHP社は,企業向け製品をグリッド標準規格Globus Toolkit and Open Grid Services Architecture(OGSA)に対応させる。
今回発表した取り組みは,コンピュータ自身が適性を管理するコンピューティング構想の大企業向け戦略「Adaptive Enterprise」を拡充するもの。グリッド・コンピューティングにより,企業はITリソースを世界中どこでも必要に応じて割り当てることが可能となる。
取り組みの主な内容は以下の通り。
・サービス:
「Enterprise Grid Consulting」。HP Servicesのノウハウを提供し,業務環境へのグリッド・コンピューティング構想の適用を支援する
・インフラ:
「Grid Software Infrastructure」。「HP OpenView」プラットフォームをベースにする。Web Service管理機能により,リアルタイムのビジネス・プロセス情報配信と迅速なITリソース割り当てを実現する
・GUI:
「Grid Resource Topology Designer」。HP社の研究機関HP Labsが開発した。リソース要求への対応を簡単に実行することができる。適切なリソースを自動的に判断し,サービス・レベルの要求に応じて割り当てる
・枠組み:
「Web Services Management Framework(WSMF)」。グリッドやWeb Serviceなどを管理するための論理的アーキテクチャ。最近,OASISのWeb Services Distributed Management技術委員会に提出した
・技術:
「Smart Framework for Object Groups(SmartFrog)」。HP Labsが開発した。グリッドを構成する各コンピュータのリソース設定を簡素化する
そのほか,OGSAに対応した「HP Utility Data Center(UDC)」では,多数のグリッド機能を提供する。
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