米IBMはWebSphere Portalや「Lotus」ソフトウエアをベースとする特定業界向けのポータル・ソリューションを米国時間9月3日に発表した。これらのソリューションは自動車,政府,生命科学という3つの業界を対象とし,各業界に合った問題解決と情報の一元提供を実現するものという。IBM社では「顧客の要求や市場の変化に迅速に対応できるようになる」としている。

 業務プロセスを合理化し,統合の改善につながるWebベースの環境を構築できるという。「インターネット経由で利用可能な業務が増えることで,ベンダー,販売代理店,ディーラーを含めた協力関係を強化し,製品の市場投入に関する作業の迅速化や,総所有コスト(TCO)削減が図れる」(同社)

 各ソリューションの概要は以下の通り。

・IBM Software Solution for Automotive Dealer Collaboration:
 自動車業界のOEM向けの製品で,ディーラーや修理業者などとの関係強化/拡大が目的。WebSphere Commerce,WebSphere Portal,Lotus Collaborationソフトウエアで構成する。インターネット接続経由で重要な情報にアクセスできる安全な手段を提供することで,ディーラーとの関係強化を迅速に行えるという。具体的には,Web経由で販売/部品/保証/品質アプリケーションなどを利用できるようになる。

・IBM WebSphere Portal for e-Government Access:
 Web技術をベースとする政府向けの製品で,アプリケーション/プロセス/管理業務や,内部組織と外部関係者とをつなぐ配信チャネルの統合を目指す。サービスと情報へのアクセスを1カ所で行えるソリューションを提供することで,リソース/情報アクセスの合理化と既存システムの統合を支援する。さらに効率向上とオンライン・セルフ・サービスにより,書類ベースの業務を削減すると同時に,セキュリティの維持と市民のプライバシ保護を図る。

・IBM WebSphere Portal for Life Science Syndicated Content:
 製薬,生命科学研究,医療関連の企業向けの情報ポータル。必要な情報をすべて単一インタフェースからアクセス可能とすることで,文書や情報の検索にかかる時間を短縮し,情報源への利用申し込みや情報の選別といった繰り返し作業をなくすという。

 なお同社は,各ソリューションの価格や提供時期については明らかにしていない。

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