米IBMは,米議会図書館(Library of Congress)において動画のオンライン・カタログ構築を手がけるプロジェクトに,同社のpSeriesシリーズLinux搭載サーバーが採用されることを米国時間9月3日に発表した。

 同プロジェクトは,「Moving Images Collection(MIC)」と呼ばれ,ビデオ・イメージをインターネット上で検索できるサイトの提供を目的としている。完成時には,世界最大規模のデジタル動画レポジトリになる。

 MICは,美術館,放送局などに保存されるフィルム,ビデオ,TV画像など80万を越える動画リソースのオンライン・カタログを構築するプロジェクト。さまざまなデジタル画像の共有と管理を促進するとともに,すべてのユーザーがアクセスできるシングル・ポイントの提供を目的としている。

 同プロジェクトには,同社製プロセサ「POWER4」を最大4個搭載可能な「p630」を2台,プロセッサ「Power3-II」を2個を搭載した「p610」サーバーが利用される。OSは,「SuSE Linux Enterprise SLES 8」を搭載する。

 両システムは,データベースへのゲートとしての役割を果たす。ユーザーは,探していたビデオ・イメージを見つけたら,動画の閲覧または参照するため許可を直接コンテンツ・プロバイダから獲得する必要がある。大多数の動画イメージは,ストリーミングによって閲覧できるようになる。

 同プロジェクトを手がける3大学,University of Washington,Rutgers University,Georgia Institute of Technologyは,国立科学財団(National Science Foundation)から90万ドルの補助金を支給されている。プロジェクトは,2004年に議会図書館に引き継がれる予定。Georgia Institute of Technologyは,pSeriesシステムを利用してユーザーがインターネット上で検索キーワードを入力して実際に情報にアクセスするWebポータルを開発する。

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