米連邦通信委員会(FCC)が発表した通信業界の新たな規制「Triennial Review Order」に関して,電気通信業界の企業と組織がFCCを提訴した。米国通信協会(USTA:United States Telecom Association)が米国時間8月28日に明らかにしたもの。

 USTAをはじめ,米SBC Communications,米BellSouth,米Qwest Communications Internationalは同日,ワシントンD.C.の連邦巡回裁判所に訴状を提出し,FCCが従来の法律に従い,法定責任を果たすことを命じるよう求めた。USTAメンバー企業である米Verizon Communicationsは,これとは別に同様の訴訟手続きを行う。

 FCCは8月21日に,通信業界の新たな規制「Triennial Review Order」の詳細を発表。米メディアの報道(CNET News.com)によると,586ページに及ぶ報告書には,ベル系地域電話会社に対し,自社が構築する光ファイバ接続などの先進ネットワークを介してサービスを独占的に提供する権利を認める内容が含まれている。

 また8月28日の米メディアの報道(CNET News.com)によれば,同報告書には,ベル電話会社に市内サービスの一部を競争相手に提供することを義務づける「アンバンドル網要素(UNE)規制」に関して,FCCはUNEの権限を州に委譲するという内容も盛り込まれているという。

 USTA委員長兼CEOのWalter B. McCormick, Jr.氏は,「国民と裁判所が繰り返し要求していた統率を図るかわりに,FCCは重要な判断を各州に委ねた。つまり,50通りの法規手続きと50通りの規則ができるということだ。FCCの報告書には,国家政策となるものがない。これは,裁判所を侮辱する行為だ。裁判所は一貫して,明確な方向性と論理的な制限を持った国家政策を示すようFCCに命じていた」と説明した。

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