オクラホマ州司法局は米国時間8月27日に,米MCI(旧WorldCom)とその元幹部6人を,同州証券法違反で刑事告発した。MCI社はこれに対する声明を同日発表した。

 MCI社法律顧問のStasia Kelly氏は,「オクラホマ州司法局に100%協力する意向だ」と述べた。ただし,これにより破産手続きが影響を受けることはなく,連邦破産裁判所の承認公聴会は予定通り2003年9月8日に行われるとしている。

 「今回の刑事告発は,当社の2000万人の顧客と5万5000人の社員を苦しめるだけだ。当社は過去1年に財政建て直しに多大な努力をしてきた。今後もこれまで同様,あらゆる調査に協力する。その一方で社内の全面的な改革を進める。当社の新たな経営陣と役員会は,米証券取引委員会(SEC)元会長Richard Breeden氏と監視チームのもと,過去の出来事が二度と起こらないよう‘正しい行い’に徹している」(Kelly氏)

 また,米保守系の非営利団体National Legal & Policy Center(NLPC)は,「オクラホマ州市民を代表して同州司法局がとった今回の行動を称賛する」とのコメントを発表した。NLPCによると,オクラホマ州司法長官のDrew Edmondson氏は,WorldCom社の破産によってオクラホマ州年金基金が約6400万ドルの損害を受けたことを指摘し,オクラホマ州における同社の事業を禁止することが望みだと述べたという。

 なおMCI社は,SECが同社を相手取って起こしていた民事訴訟に関して,制裁金7億5000万ドルを支払うことで,7月に連邦裁判所から和解の承認を得ている。

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[発表資料(MCI社のプレス・リリース)]
[発表資料(NLPCのプレス・リリース)]