米Robert Half Technologyが米国時間8月27日に,2003年第4四半期の米国IT求人市場に関する調査結果を発表した。それによると,米国企業のCIO(最高情報責任者)の9%が第4四半期にIT部門の拡張を計画しているのに対し,4%は人員削減を予定しているという。
この調査は,100人以上の従業員を抱える米国企業から無作為選んだ1400人のCIOを対象に実施したもの。「企業は,景気が継続的に成長する兆候を確認してからでなければ,フルタイムの雇用を決断しないようだ」(Robert社エグゼクティブ・ディレクタのKatherine Spencer Lee氏)
主な調査結果は以下の通り。
・回答者の85%は,雇用状況が変わらないとみている
・CIOの挙げる“雇用を促進する最も大きな要因”は「事業拡張」(47%)で,「顧客/エンド・ユーザー・サポートの向上」(19%)がそれに続く
・従業員数1000人以上の大企業のCIOが,雇用状況について最も楽観的な回答をした。この規模の企業では,「人員を増やす」と答えたCIOは13%で,6%は「人員を削減する」としている
・CIOの79%が最も需要の高い技術として「Microsoft Windows(NT/2000/XP)管理」を挙げた。以下「SQL Server管理」(40%),「Ciscoネットワーク管理」(29%)と続く
・IT部門内で必要とされている業務については,「ヘルプ・デスク技術者」「プログラマ」「ネットワーク管理者」という回答が多かった
・地域別にみた場合,米国中央南東部の企業が雇用状況に対し楽観的だ。同地域地では,CIOの15%がIT部門拡大を計画しており,逆に人員整理を予定しているCIOは3%にとどまった。また中部大西洋地域も雇用増加の傾向が強く,「雇用増」という回答が13%,「雇用減」が2%だった。
■表1 CIOによる2003年第4四半期の地域別IT雇用予測(単位:%) 増加する 減少する 変化しない 無回答 合計 米国全体 9 4 85 2 100 ニューイングランド 11 6 80 3 100 中部大西洋 13 2 85 0 100 南部大西洋 13 4 82 1 100 中央北東 4 6 87 3 100 中央北西 3 3 91 3 100 中央南東 15 3 82 0 100 中央南西 10 7 83 0 100 山岳部 10 3 84 3 100 太平洋 7 4 88 1 100 出典:Robert Half Technology社
■表1 CIOによる2003年第4四半期の業界別IT雇用予測(単位:%) 増加する 減少する 変化しない 無回答 合計 業界全体 9 4 85 2 100 製造業 2 3 95 0 100 専門業 13 4 82 1 100 小売業 13 6 81 0 100 卸売業 7 1 92 0 100 金融,保険,不動産業 10 3 87 0 100 業務サービス 18 7 70 5 100 輸送業 8 14 77 1 100 建設業 1 3 95 1 100 出典:Robert Half Technology社
◎関連記事
■CIOの10%は「2003年第3四半期のIT雇用状況は上向き」と予測
■IT業界の給与が回復基調に,今後の注目の職種は次世代無線導入に必要なインターネットとネットワーク関連
■「長引く不景気でIT社員の勤労意欲が低下,企業は社員引きとめに奔走」,米調査より
■ITプロフェッショナルの給与,基本給は上昇したものの年収は減少――米誌調査
■最悪の状態は脱出?米ハイテク業界における2002年前半の失業は11万3000人
■「世界のIT開発者数,2005年にはアジア太平洋が北米を凌いでトップに」,米IDCの調査
■「2003年のオフショアBPO市場は前年比38%成長の13億ドル規模」,米Gartnerの調査
■「2003年のIT業界の人材需要は軟調,海外へのアウトソーシングが進む」と米調査
[発表資料へ]