日立製作所の米子会社であるHitachi Consulting社は,北米にてアウトソーシング・サービスを提供する新しい事業部門の発足を米国時間8月25日に発表した。同事業部門の発足は,日立が日本国内で培ったアウトソーシング事業を北米に拡張するもの。日立の社長兼CEOである庄山悦彦氏は,同年1月にアウトソーシング・サービスへの注力を中期経営計画「HITACHI Plan II」の一環として発表していた。

 同サービスは,中間規模のアウトソーシング契約をターゲットとする。

 「企業には,大規模なアウトソーシング・プロバイダに委託するには規模が小さすぎるが,特化されたニッチ・プロバイダが扱うには大きすぎるような特定のアプリケーションやプロセスをアウトソースするための選択肢が欠如している」(同社社長のMichael Travis氏)

 Hitachi Consulting社は,日立がさまざまな事業部門や子会社を支援するために北米で築いた大規模な共有サービス環境を活用して同サービスを提供する。

 同社のアウトソーシング・サービス部門が北米で提供する主な3つのアウトソーシング・ソリューションは次の通り。

・ビジネス・プロセスのアウトソーシング
 調達,資金調達,経理,人事,CRMプロセスなど。

・アプリケーション・アウトソーシング
 知識とインフラ管理能力が必要とされるカスタム開発したアプリケーション,市販のアプリケーション。

・ソーシングの最適化
 他のアウトソーサーや調達活動などが関わるベンダー関係の管理,ベンダー・パフォーマンスの監視。

 日立は,2年前に日本で戦略的アウトソーシング事業を展開して以来,14カ所のデータ・センターにより,およそ500を超える企業にアウトソーシング・サービスを提供している。前年,同社はUFJ銀行と20億ドルのアウトソーシング契約を結んでいる。

◎関連記事
米IBM,飲料大手の英Diageoから7年間のITアウトソーシング契約を獲得
米IBMとスイスのABBが11億ドル規模のアウトソーシング契約を締結
米Accentureの2003年3~5月期決算,アウトソーシングが好調/コンサルティングは不調
「細分化がビジネス・プロセス・アウトソーシング成功の鍵」──米フォレスターが報告
「2003年のオフショアBPO市場は前年比38%成長の13億ドル規模」,米Gartnerの調査

発表資料へ