「スパム・メール増加が大きな問題となっているが,受信者の承認を得た広告メールの効果は堅調だ」。米DoubleClickが米国時間8月25日,2003年第2四半期の電子メール広告に関する調査結果を発表した。それによると,電子メールのバウンス(不達)率は前年同期の13.6%から11.5%に減少したが,開封率は前年同期の37.6%から38.8%に増加した。

 この調査は,DoubleClick社の広告配信管理技術DART(Dynamic Advertising Reporting and Targeting)ソリューションのデータと、クライアントが発信した承認済み電子メール広告約20億通のデータを分析したもの。

 電子メール広告に記載されたリンクのクリック数は,電子メール1通につき平均1.6回。これは電子メールが,コミュニケーション・ツールとして残存効果があることを示している。

 小売およびカタログ販売でも,電子メール広告1通あたりの平均売上高は前年同期の28セントから29セントに上昇した。電子メール広告1000通あたりの購買件数は平均2.65件。ただし平均購入価格は98ドルで,前年同期の102ドルからわずかに減少した。

 小売/カタログ販売の電子メール広告は,配信率が91.3%(前年同期から6.9ポイント増),開封率が37.0%(同11.4ポイント増),クリック率が6.7%(同9.8ポイント増)と,パフォーマンスが向上した。その一方で,企業向け製品/サービスやビジネス出版の場合,前年同期と比べてわずかに低下した。

 「承認済み電子メール広告は,確実に効果を挙げているようだ。ブランド認知度の向上や顧客の信頼を獲得するコミュニケーション手段として引き続き承認済み電子メール広告を活用すれば,業績につながるだろう」(DoubleClick社戦略サービス部門バイス・プレジデントのEric Kirby氏)

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