米IBMは,英国のアルコール飲料企業Diageo社からITインフラのアウトソーシング契約を獲得した。両社がそれぞれ現地時間8月22日に明らかにしたもの。契約期間は7年間とするが,金額など詳しい取引条件については発表していない。

 Diageo社は,ウォッカ「Smirnoff」,スコッチ・ウィスキー「Johnnie Walker」,ビール「Guinness」などを取り扱う企業。世界180カ国以上で取引を行っている。

 この契約により,IBM社はDiageo社のITインフラの標準化/簡素化を実施し,「将来の業務拡大の基盤となるべき,eビジネス用インフラを作る」(両社)とする。具体的には,単一の業務環境,単一のヘルプ・デスク施設,世界規模のネットワーク変更,データ・センターおよびサーバー環境の集約を図るという。

 IBM社欧州/中東/アフリカ地域戦略アウトソーシング担当ジェネラル・マネージャのJoseph Benaroya氏は,「消費者向けパッケージ商品業界で顧客企業と協力して作業を進めることで,当社は顧客の要求を深く追求し,Diageo社のような企業の成長と収益性向上に寄与する革新を実現し続けている」と述べる。「一貫した標準的なITプラットフォームを構築し,Diageo社の業務移管を実現する。これは最終的に,Diageo社の事業能力の拡大につながる」(同氏)

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,この契約に詳しいアナリストの情報では,契約金額は4億ドルから5億ドルという。また同アナリストは,「Diageo社はこれまで米Hewlett-PackardにITインフラの管理を委託していた」述べている。

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