米Novellは2003年5~7月期(2003会計年度第3四半期)の決算を米国時間8月21日に発表した。売上高は2億8300万ドルで,前年同期の2億8200万ドル,前期の2億7600万に比べ増収となった。純損失は1200万ドル(1株当たり損失は3セント)となり,前年同期の純利益1000万ドル(1株当たり利益は3セント)から赤字に転じた。前期の純損失2900万ドル(1株当たり損失は8セント)からは,赤字幅を縮小している。

 同社は,同会計年度の9カ月間において8億1900万ドルの売上高と5300万ドル(1株あたりの損失は14セント)の純損失を計上している。前年の同期間における売上高は,8億3400万ドルで,純損失は1億5500万ドル(1株あたりの損失は43セント)だった。

 一時的な費用を除いた場合,同期の純利益は700万ドル(非GAAPベース),1株当たり利益は2セントとなる。2600万ドルのリストラ経費,2400万ドルの無形固定資産の減価,800万ドルの投資減損や不動産売却による2500万ドルの利益などが除かれている。前年同期の同じ条件の利益は,130万ドルの黒字(1株当たり利益は4セント)だった。

 同期において同社は,年間1億ドルの営業経費の削減を行なうことを決定した。経費削減は,主に10%にあたる約600人の従業員解雇を通じて実施される。人員削減により,7500万ドルの経費削減を狙う。残りの2500万ドルは,人件費に関係ない部分で達成を見込んでいる。

 「第4四半期における収益性を強化するために,経費削減の実施を通じて事業パフォーマンス改善を図った。当期は,引き続き安全な個人情報管理,アプリケーション・インテグレーションをベースとしたソリューションの新規顧客を獲得している。『NetWare』開発への投資,Linuxサポートの拡大,セキュアWebサービスの重要性の増加などが追い風になっている」(Novell社会長兼CEOのJack L. Messman氏)

 当期の売上高を事業別にみると,ソフトウエア・ライセンスと保守による総収益は,前年同期比1%減の1億7000万ドルだった。「Nsure」や「exteNd」といった個人情報管理とセキュアWebサービス・ソフトウエアは前年同期比34%増の伸びをみせ2600万ドルを計上した。クロスプラットフォーム対応サービス・ソフトウエア「Nterprise」は同6%減の1億4400万ドル。ITコンサルティングや顧客サービスを含む「Ngage」サービスは同3%減の7600万ドル。また,「Celerant」の管理コンサルティングによる収益は同16%増の3700万ドルだった。

 地域別にみた売上高は,米国が前年同期から10%減収の1億2900万ドル,EMEA(欧州,中東,アフリカ)が同11%増の1億1300万ドルだった。日本を含むアジア太平洋地域は,同15%増の2300万ドルを記録した。米国を除く米大陸地域は,カナダの売上高の成長が,中南米地域の落ち込みで相殺されて2%増の1700万ドルとなった。

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