米国の大手書店Barnes & Nobleは,8月2日締めの2003会計年度第2四半期を米国時間8月21日に発表した。当期の連結純利益は1370万ドル(1株当り利益20セント)だった。小売店における書籍の売り上げが好調で,同部門における1株あたりの利益は,予測された範囲の上限を5セント上回った。一方,オンライン販売の赤字だが,その額は減少した。

 事業別の業績は次の通り。

・書籍の小売販売店
 当期の売上高は,9億7760万ドルで純利益が1270万ドルだった。1株あたりの利益は19セントで,事前予測の10~14セントの範囲を上回る結果となった。

 同期における「Barnes & Noble Booksellers」の売上高は,5.6%増の9億1260万ドルだった。新しく9店舗を開き,5店舗を閉鎖したため合計634店舗となった。「B. Dalton Bookseller」の売上高は,12.9%減の5130万ドルだった。これは,書籍販売全体の5%に該当する。業績が優れない11店舗を閉店し,店舗数が234になった。

 「同四半期の全体を通じて,売り上げが好調だった。ハードカバー書籍の売り上げが回復している。現行の売り上げ傾向と秋に発売される強力なハードカバーの新刊ラインナップをもとに,通年の売り上げ予測を上方修正した」(同社CEOのSteve Riggio氏)

 良好な売り上げ結果をもとに,同社は,来期の売上高が2.0~4.0%の増加し,1株あたりの利益が5~9セントの範囲になると見込む。通年の事前予測は,売上高を1.0~2.0%の範囲に上方修正した。前年1.52ドルだった1株あたりの通年の利益は,1.66~1.70ドルの範囲と予測する。

・GameStop
 GameStopの小売店における売上高は,前年同期から4.7%減少した。GameStop全体の売上高は,11.5%増加して3億570万ドルだった。来期の売り上げ予測は,同レベルから5%減を予測する。同期の1株あたりの利益は,8~9セントを見込む。通年では,48~50セントの範囲と予測される。

・ Barnes & Noble.com
 オンライン事業Barnes & Noble.comのEBITDA損失は,前年同期から41.0%改善の750万ドルだった。純損失は1420万ドルを計上し,前年同期から31.2%の改善となった。また,合理化によって前期比14.1%の経費節減を達成している。

 同社は,第3四半期の見通しとして,同社は1株あたりの利益を1~7セント範囲見込んでいる。2003年における通年では,1.89~1.97セントになると予測している。

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