米Boeingが社内で開発した電子メール関連の企業向けセキュリティ技術をベースに,企業向けセキュリティ製品を手がける新会社,米MessageGateを設立した。両社がそれぞれ米国時間8月20日に明らかにしたもの。新会社には,米Polaris Venture Partnersと米Northwest Venture Associatesに加え,Boeing社の社内ベンチャ・キャピタルであるBoeing Venturesが510万ドル以上を出資した。

 MessageGate社は,スパムなど不要な電子メールの排除や,業務メールの確実な配信,政府の規制への適合実現,電子的な通信に対する企業としてのポリシー適用などを行うソフトウエアを開発する。同社のSCOPEシステムを使うと,スパム・メールの特徴などを知らなくても,送受信するメールや社内でやりとりするメールをすべて調べて統計的な情報を生成するという。「この情報とカスタム化可能なフィルタを組み合わせることで,企業は既存のインフラを使って365日24時間ネットワークを自動的に保護できる」(同社)

 同社は初めての製品として,「MessageGate Security Edition」の提供を計画している。同製品を企業ネットワークと外部との境界部に導入すれば,外部から入ってくる不要な電子メールの数を大幅に減らせるという。さらに同社は,「電子メールのセキュリティ向上と,電子メール用インフラの運用にかかるコストと手間を削減できる」とする。同社によると,同製品は1日に数100万通の電子メールを処理できる性能を備えている。

 MessageGate Security Editionは直ちに利用可能とする。価格は導入時の構成によって異なる。

 さらに同社は,同製品の「Compliance Edition」など,メッセージングの安全性を確保するための企業向け製品の提供も計画中という。

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[発表資料(MessageGate社)]
[発表資料(Boeing社)]