米DisplaySearchは米国時間7月29日,2003年第1四半期における10インチ以上の液晶ディスプレイ(LCD)TV市場に関する調査結果を発表した。LCD TVの出荷台数は前期比47%増,前年同期比223%増の73万4000台となった。

 DisplaySearch社は今回の調査から,LCD TV市場を以下3カテゴリに大別している。

・テレビという種別で電化製品チャネルで販売される,TVチューナ内蔵型のLCD TV
・テレビという種別で電化製品チャネルで販売され,パソコンと組み合わせて利用するための画像入力端子やVGA入力端子を備える多機能モニタ(MFM)
・LCDモニターという種別でIT系チャネルで発売され,画像入力端子やVGA入力端子を備えるTVチューナ内蔵の多機能モニタ(MFM)

 今回の調査で急速な成長率となったのは,IT系チャネルのMFMを調査対象に含めたため。IT系チャネルのMFMを除いた場合,LCD TV市場の成長率は,前期比29%増,前年同期比183%増となる。

 なお,第1四半期の総出荷台数における各カテゴリの割合は,電化製品チャネルのLCD TVが73%,電化製品チャネルのMFMが15%,IT系チャネルのMFMが12%である。IT系チャネルのMFMの出荷台数は第2四半期に41%増加する見込みだが,依然として電化製品チャネルのLCD TVが最大シェア70%を占める。

 地域別でみた場合,第1四半期の北米出荷台数は26万台で,初めて最大シェア(35%)を獲得し,日本のシェア(33%)を上まわった。しかし日本は第2四半期に盛り返す見込みで,シェアは37%に拡大する。一方北米のシェアは34%に減少する見通しである。

 メーカー別では,シャープがシェア43%を獲得し,8期連続で首位を維持。第2位は韓国のSamsungでシェアは20%,第3位はソニーでシェア6.4%だった。

 2003年第2四半期の市場も引き続き堅調な見込みで,総出荷台数は前期比20%増,前年同期比224%増の88万2000台に達するとの予測である。

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