本田技研工業の米国法人American Honda Motor社は,米Microvisionのウエアラブル情報端末「Nomad Expert Technician System」3800台を購入するとMicrovision社が米国時間7月31日に明らかにした。American Honda社は,拘束力のない同意書に署名したという。購入する端末は2003年後半に発表する次世代Nomad Systemで,出荷開始は2004年1月の予定。

 Nomad Expert Technician Systemは,ウエアラブル・ディスプレイと無線対応コンピュータを組み合わせた情報端末。自動車などのサービス技術者に,テスト・データや修理情報を無線通信を介して提供できる。情報は視野内に合成して表示する。

 American Honda社は,HondaおよびAcuraディーラーと北米の独立系修理工場にNomad Expert Technician Systemsを配備する計画という。

 「自動車修理は潜在的な巨大市場で,Nomad Systemは同市場で標準装備になる可能性がある」(Microvision社工業/自動車製品担当マーケティング・マネージャのBruce Ridley氏)

 Microvision社によると,American Honda社が同システムをカリフォルニア州トランスにある訓練施設で試験運用したところ,作業効率が39%向上したという(Microvision社の提供する関連情報)。

 またAmerican Honda社サービス情報担当マネージャのAllan Snow氏は,「Nomad Expert Technician Systemを導入すると,当社のディーラー・サービス・センター全体で,サービス技術者がミスの根絶,作業時間の短縮,顧客満足度の向上を達成するのに役立つだろう」と語ったという。

 Microvision社は,次世代Nomad Systemの最終的な価格を明らかにしていない。ただしメーカー希望小売価格は,オプションや付属品の構成によって3500ドル~4000ドルの範囲になると見込む。

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