米Broadcom社は,企業ネットワーク向けの10GビットEthernetマルチレイヤ・スイッチ「Broadcom BCM5673」を米国時間7月30日に発表した。レイヤー2からレイヤー7のワイヤー・スピード・スイッチングとルーティングを提供する。シングルチップの同デバイスは,スタック可能な24ポート,48ポートEthernetデバイス市場をテーゲットとする。

 同製品は,「IEEE 802.3ae」に準拠しており,銅線を使う10GEthernet規格「10GBASE-CX4」を介して安価にワイヤー・スピードを実現する。シングルチップにまとめることにより,システム製造業者は,コンパクトな1Uサイズに10GbEを24,48のポートと複数の10GbEインタフェースを搭載するGbEスイッチの製造が可能になる。

 10GbE Attachment Unit Interface(XAUI)SerDesを搭載するため,スタック可能な小型10GbEシステムに適している。以前の製品では,光コンポーネントと複雑なサブシステムが必要だったが,XAUIトランシーバを内蔵することにより,コンポーネントを追加することなく銅線,Xenpak,XPAK,X2モジュールと直接接続できるようになった。SerDesにより,ファイバとともに低価格な銅線を介して10GbEのトランスミッションが可能になった。

 同デバイスは,バッファ・メモリー,チップベースのアドレス・テーブル,IPv4とIPv6ネットワークで音声,ビデオ,データを同時に配備する分類プロセッサを搭載する。

 また,DoS攻撃の阻止,侵入の検出,ワイヤレスの認証といったセキュリティ機能を実装するために,コンテンツをベースとするアクセス・コントロール・リスト(ACL)を設定できる。

 BCM5673は,現在サンプル出荷されている。2003年第3四半期に量産を開始する予定。

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