長距離・地域・無線通信大手の米Verizon Communicationsは米国時間7月29日に,2003年第2四半期の決算を発表した。当期の1株あたり利益は12セントで,前年同期の1株あたり78セントの損失から黒字転換となった。前年同期には,21億200万ドルの損失を計上していた。

 同期の営業収入は,168億3000万ドルで前年同期の167億5000万ドルから8000万ドル増加した。前年同期の売上高には,同社が後に売却した事業からの売り上げ2億5000万ドルも計上されていた。

 一時的な利益・費用を除いた場合,実質的な1株当たり利益は,アナリストの予測を1セント上回る69セントだった。前年同期には0.77ドルだった。

 当期の決算には,同社と英国の携帯電話会社Vodafoneが保有していたメキシコの携帯電話会社であるGrupo Iusacell社の株式の売却による9億5200万ドルの損失が含まれる。また,負債軽減や退職金,年金といった労務費に関わるおよそ6億ドルの経費も計上している。

 同社によれば,地域通話サービスからの売上高が減少する中で,長距離通話と携帯電話ユーザーが増加したため売上高を伸ばすことができた。同期において,携帯電話の加入者が120万人,また長距離電話は140万回線増加している。

 Verizon Wirelessからの売上高は,14.3%増の55万ドル。長距離サービスは,17.2%増の9億100万ドルだった。しかし,同社の中核となる地域の通話サービスを含む固定電話サービスからの売上高は,3.4%減の99億ドルだった。

 無線サービス事業Verizon Wirelessは,当期に120万人の新規加入者を獲得した。これは,前年同期から10%増となる。解約数も記録的に低く,当期における加入者の合計は3460万人に達した。売上高も14.7%増加した。

 長距離サービスの加入者数は前年同期から36.1%増加した。140万人が新規で加入して,合計およそ1460万人となった。DSLサービスの加入者数は前年同期からおよそ10万人増加して,合計190万人になった。

 当期において,同社の負債額の合計は,2002年末から37億ドルが軽減されて481億ドルになった。

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